Go Forward

研究・知財戦略機構 八千代銀行や富士通、川崎市と「知的財産交流会」

大学の知的資源を地域に還元

内覧会では、3Dプリンタの製作物に関心が集まった

研究・知財戦略機構は9月22日、(株)八千代銀行や富士通(株)、川崎市などとの共催で、「八千代銀行お取引先と富士通㈱及び明治大学研究・知財戦略機構による知的財産交流会」を、生田キャンパス・地域産学連携研究センターにて開催した。

この知的財産交流会は、大手企業が保有する知的財産(特許)を地元の中小企業に紹介することで事業創出のマッチングを促し、銀行や自治体と協働して新製品開発につなげることを目的に昨年から開催。こうした取り組みを川崎市は先駆けて推進しており、知財活用における“川崎モデル”として全国にも広がっている。

今回は、大学や公的研究機関にまでマッチングの枠を拡大したことで、研究成果の社会還元を積極的に行う地域産学連携研究センターの趣旨とも合致し、初めて本学での開催が実現した。

冒頭、あいさつに立った中別府修・研究活用知財本部副本部長(理工学部教授)は、本学の知的財産や研究シーズを紹介できることに謝意を表し、「生田キャンパスには理工学部、農学部があり、皆さまのビジネスに協力できる知財や教員がいるので、川崎市や社会に広く貢献していきたい」と意気込みを語った。

本学のプレゼンテーションでは、本学が保有する特許の中から、特定の図形を法則的に埋めていくタイリング論を利用した「3D(三次元)パズル」(発明者:阿原一志総合数理学部教授ら)▽異なった模様を組み合わせて動かし、錯覚を生じさせる「錯視を利用したユニークな時計・看板」(発明者:杉原厚吉研究・知財戦略機構特任教授ら)▽短時間かつ高精度に脳波の判別が可能な「脳波の周波数検出方法」(発明者:小野弓絵理工学部准教授ら)▽自律型の移動ロボットが正確に自分の位置を把握する「自己位置計測装置」(発明者:黒田洋司理工学部教授ら)▽誘電率を用いて霜の発生を検知する「降霜検知装置」(発明者:登尾浩助農学部教授)—の5つを紹介した。

また、地域産学連携研究センター内の内覧会も行われ、参加者らは、事業支援のためのレンタルラボや試験分析・試作加工装置などを興味深く見学した。そのほかにも、富士通、富士通エフ・アイ・ピー(株)、公益財団法人神奈川科学技術アカデミーがそれぞれ研究シーズや知財支援事業を紹介した。