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ズームアップ〈第534回〉小柄なルーキーに託された紫紺の未来

ラグビー部 三股 久典



小さな体に秘めるチームへの大きな思い。165cm・65kgと小柄なルーキー・三股久典(政経1=佐賀工)はSHとして瞬時の判断で鋭いパスを出し、攻撃の起点となる。大柄な相手に対し果敢にタックルをし、互いの信頼関係を常に大切にするこの男。三股は紫紺の「9」を背負うにふさわしい。

春季は1年生でただ1人、Aチーム先発出場を果たした。試合中には「一瞬たりとも気を抜けない」と感じたという。紫紺を背負う誇りはあったが、そこには責任やプレッシャーもあった。
一般的にSHには、テンポの良い球さばきや高度なパススキル、冷静な状況判断が要求される。それらはもちろんだが、三股が最も重要視するのは「ディフェン ス」だ。そこにはAチームで出場する中で譲れない思いがあった。試合中、小柄な体格であるがゆえに相手に狙われることも多い。全速力で向かってくる大柄な 相手に対し、ひるむことなくタックルする。「体を張れる人間でなければチームの信頼は得られない」と考えているからだ。信頼関係を大切にする三股らしい強 い思いだ。

入学後は幸先良いスタートを切ったといえる。だが、明治における三股のラグビー人生はまだ始まったばかりだ。「前へ」と成長を続けるその姿に紫紺の未来は託されていく。

(みまた・ひさのり 政経1 佐賀工高 165cm・65kg)

文・写真/小田切 健太郎(法1)