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リバティアカデミー「日本人としてグローバル規模のビジネスに貢献する」を開催

会場からの質問に熱心に応答する青井教授(左)と井辻氏

リバティアカデミーは10月24日、コカ・コーラ カスタマーマーケティングの井辻秀剛代表取締役社長を招き、「日本人としてグローバル規模のビジネスに貢献する」と題する校友会寄付講座を開催した。グローバル企業で経歴を重ね、コカ・コーラ製品のマーケティングを行う同社の社長を務める井辻氏が、自らの体験を振り返りながらグローバル社会に向けてのヒントを語った。

井辻氏は幼少期からの人生を時代背景と共に振り返り、大学卒業後に入社した外資系企業で挫折を味わった経験を告白。企業文化に馴染めず「会社を辞めたい」一心で過ごしていたが、「目標数値を達成することで評価される」と気づいたことが転機となり、仕事に取り組む姿勢が変わったと明かした。

また、語学研修中に出会ったフランス人と人生の目標を語り合ったエピソードを披露。会社での出世を目標に挙げた井辻氏に対し、仕事の枠を超えた壮大な計画を語る相手の姿に衝撃を受け、これが「人生の目標について考えるきっかけになった」と紹介した。

続けて井辻氏は、ビジネスの変化についても言及。「変化を予測するのではなく、変化に素早く気づいて対応できる企業が残っていくだろう」と話し、未知の出来事が起こる未来の社会人に求められる能力も、「経験」から「イノベーション」に変わると予想した。

講座の後半では、コーディネーターの青井倫一教授(グローバル・ビジネス研究科)の司会の下、会場から寄せられた質問に井辻氏が回答した。

学生からも多くの手が挙がり、政治経済学部の男子学生は「実用的な英語を身に付ける方法は?」と質問。井辻氏は語学研修や外資系企業での経験をもとに「一番困るのは何を言われているか理解できないこと。これには多くの英語を聞き続けることが必要」と答えた。

また飲料メーカーと小売業との競争について質問した国際日本学部の男子学生に対しては、「従来は市場調査を行う飲料メーカーが消費者に近い立場だったが、現在は購買データを持つ小売業の方が消費者の変化に早く気づける。飲料生産に技術的な壁は低く、小売業がデータを活用して求められる商品を生産できる時代になっている」と解説した。

グローバル企業のトップが質問に答える貴重な機会に、会場からは他にも多くの質問が寄せられ、井辻氏は熱いメッセージで応えていた。