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文学部 キエフ国立大学・コマレンコ准教授特別講演会

「ウクライナ:長く、ねじれた、ヨーロッパへの道」

ウクライナの複雑な側面を語るコマレンコ氏

文学部は1月14日、キエフ国立大学(ウクライナ)歴史学部副学部長のオレクサンドル・コマレンコ准教授の特別講演会「ウクライナ:長く、ねじれた、ヨーロッパへの道」を駿河台キャンパス・グローバルホールで実施した。

キエフ国立大学との交流は、本学黒耀石研究センター(長野県長和町、センター長:小野昭研究・知財戦略機構特任教授)が2013年に同大学とカルパチアの黒曜石の共同調査を行ったことを契機にスタート。2014年4月には本学と大学間協定を締結し、黒曜石研究や考古学研究などを軸とした協力関係を築いている。この講演会は昨年、小野特任教授が同大学で考古学の講演と講義を行ったことへの返礼の招聘として実現したもの。

講演会では、冒頭で小野特任教授があいさつに立ち、現代史を専門とするコマレンコ氏を紹介。「世界が直面する問題は、新聞・テレビ・ウェブなどで見たり読んだりすることができるが、専門家の視点から現状を知ることは大変貴重である」と述べ、講演会を通じて、ウクライナが持つ歴史的・政治的背景を広く知ってもらえればと呼びかけた。

コマレンコ氏は、旧ソビエト連邦から独立したウクライナの成り立ちや、ロシアの影響を強く持つルーツなどをスクリーンで紹介。「ウクライナ人とロシア人は密接な関係を持っているが、今は仮に2つの国に分かれているだけなのか、それとも、ウクライナはロシアの一部分ではないということなのか」と観客に質問を投げかけ、ヨーロッパとロシアの狭間で揺れ動いてきた歴史を解説、その答えの糸口を探った。

なお講演に先立ち、前日の1月13日には、コマレンコ氏が福宮賢一学長と林義勝文学部長を表敬訪問した。