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表層メタンハイドレート・フォーラム2014を開催

昨年の調査・研究成果を発表

“燃える氷”と呼ばれるメタンハイドレート ガスハイドレート研究所代表の松本特任教授

明治大学ガスハイドレート研究所は1月30日、(独)産業技術総合研究所との共催で、「表層メタンハイドレート・フォーラム2014—資源量評価・2年目の成果—」を、駿河台キャンパス・グローバルホールで開催。企業関係者など200人以上が来場した。

メタンハイドレートは、メタンやエタンなどの炭化水素ガスと水分子がつくる氷状の固体物質。点火すると燃焼することから“燃える氷”とも呼ばれ、新たなエネルギー資源として注目されている。ガスハイドレート研究所は産業技術総合研究所と協力し、経済産業省のメタンハイドレート開発促進事業の一環として、日本海海底の表層付近に分布するメタンハイドレートの調査・研究を進めている。

松本良特任教授(ガスハイドレート研究所代表)らによる研究チームは昨年4月から10月にかけて、隠岐周辺海域、上越沖、秋田・山形沖および胆振・日高沖で、表層メタンハイドレートの資源量を把握するための基礎調査を実施。さらに上越沖、秋田・山形沖ではメタンハイドレート試料の回収にも成功した。本フォーラムでは、これらの最新の調査・研究の成果や、周辺環境調査の結果が報告された。

冒頭のあいさつで日髙憲三理事長は「最近、至る所で本研究の進捗状況はどうかと聞かれるようになった。多くの人が関心を寄せる、日本の重要課題である資源エネルギー開発に、明治大学も大きな役割を果たしていることに喜びを感じる」と語った。

続いて基調講演を行った経済産業省資源エネルギー庁企画官の高倉秀和氏は「国としては、この調査に長期的な視点から取り組んでいきたいと思っている。そのためには国民の皆さんの理解が必要だ」と述べ、「このフォーラムを通して本調査への理解を深めてほしい」と呼びかけた。

フォーラム本編では、松本特任教授より2014年度調査の概要と広域調査について説明があった後、産業技術総合研究所の森田澄人氏と上田匠氏から具体的な地質調査、海洋電磁探査の成果が報告された。午後の発表では、ガスハイドレート研究所の棚橋学特任教授、角和善隆特任教授らより、海底の掘削や長期モニタリングを中心とした海洋調査について報告があった。

最後に、福宮賢一学長が「日本海側から採掘される表層メタンハイドレートについて、一定の見通しが得られたことは大いなる成果。来年度も実りある成果を得て、エネルギー政策に貢献できることを期待している」と閉会のあいさつを行った。