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国連70周年「いま、日本から国連を考える」キックオフ・シンポを開催

—元国連事務次長・明石康氏が登壇

明石氏(左)と学生代表とのクロストーク

明治大学は3月27日、国連広報センターと立教大学、国際大学との共催で、国連創設70周年記念「いま、日本から国連を考える」セミナー・シリーズ(全6回)のキックオフ・シンポジウムを開催。会場の駿河台キャンパス・グローバルホールには、研究者や学生など約130人が詰めかけた。

冒頭、あいさつに立った長尾進副学長(広報担当)は、3大学で取り組む「国際協力人材育成プログラム」について紹介。「国連などで働く人材の育成を目指す我々のプロジェクトにとって有意義な機会」とセミナー・シリーズへの期待を述べた。

続いて、元国連事務次長の明石康氏が「国連のこれまでとこれから~日本の抱負を活かした国連外交を探る~」をテーマに基調講演。明石氏は戦後の日本と国連の成り立ちに触れ、「平和国家としてのビジョンと夢を持って再建を目指した日本の精神は、国連憲章の精神とも一致している」と共感する一方、「日本国憲法第9条第2項のように70年が経過して実態に合わない部分も出てきている」と指摘。「自分たちだけリスクを負わないという態度はできない。日本が持つスキルを生かした『共守防衛』が大事」と持論を展開した。

また、今後の日本の国連外交について「安保理常任理事国入りへの垣根は高い」としながらも、途上国への開発援助や、唯一の被爆国としての核軍縮にかかわる活動など「国際社会の一員として、日本ができることは多い」と訴えた。

明石氏と、明大・立大・国際大の学生代表5人による世代間クロストークでは、平和、教育、気候変動など、国連が取り組むグローバル課題がテーマに。学生たちからの鋭い質問に明石氏は「若者はどんどん世界へ出てほしい」「皆が同じようにする必要はない。そこに多様性の価値がある」「これからは国境・文化・宗教などを越えてチームをつくる能力が求められる」と、未来を担う若い力に金言を送った。