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震災復興支援センター 第3回「東日本大震災の風化を防ぐフォーラム」

活動報告を行う清野さん 講演者と客席とのディスカッション

震災復興支援センターは6月13日、東京YWCAとの共催で、「東日本大震災の風化を防ぐフォーラム~福島県沿岸の町『新地町』の取り組みと首都圏のわたしたちができること~」を駿河台キャンパス・グローバルホールで開催。地元関係者の講演や、明大生らの活動報告などを通じ、あの震災を忘れぬよう呼びかけた。

新地町は、福島県最北部の太平洋岸に位置し、東日本大震災では沿岸部のみならずJR常磐線新地駅周辺の市街地まで津波の被害を受けた。明治大学は2012年1月、復興支援に関する協定を新地町との間に締結している。

今年で3回目となるフォーラムには、学生ら約220人が来場。開会に先立ち、情報コミュニケーション学部・川島ゼミナール制作のドキュメンタリー映像「知られざる被災地 福島県・新地町」が会場で上映された。

開会あいさつに続き、福島県相馬市立八幡小学校校長の松本一宏氏が「震災と子どもたち—新地町立尚英中学校で教頭を務めて—」をテーマに講演。松本氏は震災時、新地町唯一の中学校で教頭を務めており、講演では震災当時や震災後の状況、子供たちの様子について述べた後、被災した子供の心のケアがいかに大切かを語った。

続いて、被災地から600キロ離れた名古屋から、新地町の3つの小学校とのテレビ電話相談を通じて子供たちの心のケアを行っている名古屋YWCAの赤澤ヒロ子氏より、震災直後からこれまでの子供たちの心の変化について講演があった。

その後、震災当時は高校生だった白崎絵さん(商3)と清野真登さん(農3)が、被災地でのボランティア活動について報告。「積極的に活動することが大事で、行かなければわからないこともある。今後も継続していきたい」(白崎さん)、「大学で日々学ぶ研究を復興支援につなげていきたい」(清野さん)などと、それぞれ思いを語った。

最後に、新地町復興推進課長の小野好生氏が「新地町はいま」と題して講演。小野氏は、2017年再開を目標に掲げるJR新地駅の開発事業をはじめとした復興事業のほか、後継者不在や高齢化など町として震災以前から抱えていた課題、現時点での成果や今後行政がすべきことについて説明した。講演終了後のディスカッションは、客席と講演者5人との質疑応答形式で進み、活発な意見交換が行われる中、フォーラムは幕を閉じた。