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国際交流基金事業 第1回「明治日本のサムライとコスプレ」

写真をめぐる講演とセミナー

19世紀の「サムライ」写真を紹介するエステーブ氏

明治大学はこのほど、国際交流基金事業として、写真史の専門家であるクロード・エステーブ氏を講師に迎えての「写真をめぐる講演とセミナー」を計3回にわたり開催。その第1回「明治日本のサムライとコスプレ」が6月4日、和泉キャンパス・図書館ホールで行われた。

本事業は、優れた教育・研究業績を有する外国人学識者を招請し、講義やセミナー、共同研究を通じて本学の教育・研究活動の発展に資することを目的としている。

エステーブ氏は当時の写真をスライドショーで確認しながら、19世紀の写真テーマとして人気があった「サムライ」について、武士階級の崩壊を背景に、本物の侍ではなくモデルに衣装を着せた「ツクリモノ」が撮影されていた例が多数あったことを紹介。参加者は、欧米の研究者が本物の武士と見間違えてしまうコスプレ写真の数々に関心を示した。

また同氏は、当時パリで有名人の肖像写真を多く手掛けていたナダールのスタジオなども例示しながら、写真の感光・現像プロセスや色彩、サイズといった技術的な問題にも言及していた。

クロード・エステーブ

フランス国立東洋語文化大学(INALCO)日本学博士。写真史を専門とし国際的活動を展開。パリのギメ美術館・日本古写真鑑定顧問。写真家としても高い評価を得ている。