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ズームアップ 第542回「独自の泳ぎで金へ200バタの新鋭・矢島」

水泳部 矢島 優也



7月に行われるユニバーシアードの代表に水泳部からは最多の8人が選ばれた。中でも優勝を狙うルーキーの矢島優也(商1=春日部共栄)に注目だ。矢島は高3のインターハイで100m、200mのバタフライ2冠。今年の日本選手権では得意の200mバタフライで大きな泳ぎを武器に4位に入った。

魅力は腕のストロークに詰まっている。矢島の泳ぎは「自分にしかない」と言い切る特殊なフォーム。入水で水を捉え、押し出して加速する。キャッチに集中して生まれる力強い一かきで、ストローク数は少なく大きな泳ぎになる。現在の主流である水の抵抗を抑えるためのフラットな泳ぎとはまるで違う。腕のパワーと体いっぱいの体重移動で、ざぶんざぶんと進む独特のスタイルだ。「自分はバタフライでしか戦っていけないので、究極のバタフライを追求したい」と、矢島だけのバタフライを泳ぐ。

目指すはオリンピックスイマーになることだ。世界水泳には届かなかったが、ユニバーシアードには選手村があるなど五輪に近い環境がある。この大会から「来年につなげられると思う」とリオ五輪へ思いを寄せる。そしてリオ五輪の先に見据えるのは5年後、東京五輪の金メダルだ。まずは今年のユニバーシアードで1分55秒前半のタイムで優勝することを宣言した。矢島の夢への道が、この夏から始まる。

(やじま・ゆうや 商1 春日部共栄 180cm・68kg)

文・写真/渡邉 由理佳(情コミ2)