Go Forward

農・小田切教授が外国人記者向けに講演『農山村は消滅しない』をテーマに

外国人記者との質疑応答の様子

「フォーリン・プレスセンター(FPCJ)」主催による在日外国人特派員向けのプレス・ブリーフィング(会見)が7月1日、東京都内で開かれ、招聘を受けた小田切徳美農学部教授が『農山村は消滅しない —「田園回帰」にみる都市と農村の共生—』をテーマに講演。アメリカ、中国、韓国、カザフスタン、ドイツの計5カ国のメディアが参加した。

プレス・ブリーフィング事業は、海外メディアが日本の課題の背景や本質について理解を深められるよう、国内有識者や現職官僚、政府関係者が外国人記者に説明を行うもの。月に4~5回程度開催され、その様子はインターネット上でも動画で公開されている。

小田切教授は講演の中で、農山村に移住する若者の特徴や彼らが抱える課題、また今後の動向などについて説明。複数の職業に従事する「パラレル・キャリア」 や、「Iターン」「Uターン」に次ぐ第3のパターン「孫ターン(孫世代が祖父母の地元に移住すること)」について言及した。

また、農山村への移住者数が4年間(2009年~2013年)で2.9倍に増えており、10年後には年間10万人に到達すると予想されることから、将来的には、東京圏への人口流入(年間約11万人)との逆転現象が見込まれると述べた。

記者からは「人口減少の中で農村のインフラを維持するにはどうすればいいか」といった質問が出るなど、質疑応答は30分にも及び、今回のテーマに対する海外メディアの関心の高さをうかがわせた。


フォーリン・プレスセンター(FPCJ)

日本新聞協会と経団連(現在は日本経団連)の共同出資により、1976年に財団法人として設立され、2011年に公益財団法人に移行。世界の人々により深く日本を理解してもらうため、プレスツアーなどを通じて外国人特派員の日本取材を支援する。ウェブサイトやSNS(ソーシャルメディア)による日本の生きた情報の発信も行っている。