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ズームアップ 第544回「寡黙な仕事人」

弓道部 菅 義隆



「実力で引っ張っていく」。弓道部が成し遂げたインカレ連覇の立役者である菅義隆(経営3=岩手県立福岡)は自身のスタイルを体現した。8月11日から名古屋で行われたインカレでは男子団体戦に出場。決勝トーナメントで行われた4試合全てで「皆中」とチームの勝利を導いた。

妥協を許さない姿勢が成長につながった。昨年の学生王座決定戦、団体戦で菅はトップバッターである「大前」を務めた。チームの流れを左右する初矢を決めていくことが菅に課された役割だった。試合が進む中、高的中を出し続けてほとんどの試合で皆中させた。傍から見れば好成績を残しているが、菅の目は外してしまった一本に向けられていた。「まだまだ自分は甘い」。たった一本、されど一本。どうしたら全試合で皆中できるのか自分と向き合い続けた。

これまでもチームの主軸として活躍してきた菅。秋には自身最後のリーグ戦や伊勢神宮で行われる学生王座決定戦を控える。もちろんどの試合でも負けるつもりはない。目指すは優勝。そのために菅が与えられた役割はただ一つ。これから引くメンバーが気負わぬよう、放った矢がチームの勝利につながるよう、自分の番が来たら確実に中て続ける。華々しい成績でラストイヤーを飾る。

(かん・よしたか 経営3 岩手県立福岡 172cm・72kg)

文・写真/荒井 希和子(情コミ2)