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2015年度 創立者出身地への学生派遣プログラム

鳥取県での現地調査の様子 宮城浩蔵胸像前にて(山形県天童市) 漆器作り体験(福井県鯖江市)

明治大学社会連携機構では、本学創立者3名の各出身地(鳥取県、山形県天童市、福井県鯖江市)との連携協力に関する協定に基づき、8~9月に「学生派遣プログラム」の現地調査を実施しました。このプログラムは、学生が創立者出身地に赴き、人々との交流・連携を通じて、地域活性化への提言を行うものです。今年度は全学から28名の参加を得て実施されました。プログラムは「事前勉強会」と「現地調査」(3泊4日)から構成され、現地調査の最終日における「中間報告会」を経て、10月末を目途に最終報告書を作成し、各自治体へ提出する予定です。

地方創生の機運を反映してか、3地域の自治体からは、人口減少の克服、移住・定住の促進、交流人口の増加といった今日の日本が抱える難しいテーマが示されました。現地調査においては、各テーマに関連して、地域の課題に取り組む多くの人々・組織(行政、関連団体、NPO、町内会、自営業者等)を訪問し、ヒアリング等の調査取材を行いました。また、このプログラムの大きな特徴である「熟議形式*」を通して、地域の関係者が一同に集う場を設定し、議論を重ね、提言内容を検討しました。中間報告時点における学生たちの提言タイトルは以下の通りです(8グループに分かれ活動)。

【鳥取県伯耆市】
  • はじめの壱歩!弐部!参勤交代!
  • 「上代学校」の集客アップを目指して
【山形県天童市】
  • 天童市における人口減少克服~農業から見た現状~
  • やっぱり天童No.1~Uターン者増加を図る企画案~
  • 移住体験プロジェクト
【福井県鯖江市】
  • 挑戦しよう!鯖江で~鯖江キャンパス設立~
  • 河和田に住もう!!~農業と伝統文化の魅力を最大限に伝えよう~新たなベッドタウンモデルの構築
  • めがねを感じる~やっぱり鯖江のめがねがNo.1~

地域の方々からは、地域の外にいる若者ならではの斬新な視点を提供してほしいという期待をひしひしと感じました。学生たちも、それに応えるべく、短期間ですが地域の現状・課題に思いを寄せ、寝る時間を惜しみながら一生懸命取り組んでいた姿が印象的でした。

社会連携機構では、学生たちの創立者3地域への関わりをこれで終わりにするのではなく、今年度から「明治大学ふるさと応援隊」を創設し、これまで学生派遣プログラムに参加した学生たち(延べ151名)が継続的に各地域を応援できるような仕組みを創りました。10月18日のホームカミングデーにおける3地域のフードフェアを皮切りに、東京で行われる3地域の各種イベントに応援隊として関わっていく予定です。

学生自らが地域課題を肌で感じ、多くの学びを得て社会との繋がりを継続的に考えていくこと—これが大学による社会貢献の実践のひとつの形となり得るのではないかと思います。社会連携機構では、今後もこのような取り組みを進め、学生の全学横断的なネットワークと地域との連携を支援してまいります。

最後に、学生を快く受け入れてくださった各自治体の首長をはじめとする地域の皆さまの多大なるご協力に対し、改めて御礼を申し上げます。

社会連携機構 地域連携推進センター長
源 由理子(ガバナンス研究科教授)

熟議形式

職業、立場、年齢、性別を超えたさまざまな人々が、対等な立場で共通の課題について議論を重ね、解決方法や対策について意見交換を行いながら提言をまとめていく協働作業。