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リバティアカデミー「国境なき医師団とわたし」講座開催

「国境なき医師団」としての派遣の経験を語る安藤氏

「国境なき医師団とわたし かけがえのない命を救うために」と題するリバティアカデミーのオープン講座が11月13日、駿河台キャンパス・グローバルホールで開催され、医師の安藤恒平氏が140人の受講者を前に講演した。明治大学シモーヌ・ヴェイユ基金運営委員会と、明治大学人権委員会の共催。

安藤氏は2011年に外科医としてナイジェリア、パキスタンへ派遣されて以降、2012年にイエメン、2013年にシリア、2014年には南スーダンに渡り活動。「国境なき医師団日本」(1992年発足)の理事を2014年から務めている。

講演で安藤氏は「国境なき医師団(MSF)」に携わるまでの経緯を語ったのに続き、1971年に医師とジャーナリストがフランスで設立したMSFについて解説。「10の活動原則」の存在や、活動資金の90%が民間からの寄付であることなどに触れた。

派遣先シリアの外傷センターでは、熱傷治療で非常に重要となる物資輸送が、MSFの綿密なネゴシエーションにより大変スムーズに行われていたことを紹介。安藤氏がシリアを去った半年後、そのセンター近くの病院が爆破されたことも添えた。さらに派遣先での治療において、コミュニケーションのため最初覚えることの多い言葉は「痛い?」であるとのエピソードも語った。

現場の医師の声が聴ける貴重な機会とあって、講演後の質疑応答では、明大生など10人超の受講者から時間いっぱいまで質問が寄せられた。