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リバティアカデミー 生田で「富岡製糸場とフランス」講座

質疑応答も盛り上がりを見せた

リバティアカデミーは11月23日、オープン講座「富岡製糸場とフランス~リヨン、横浜、そして富岡、生糸が結んだ日仏経済交流の絆~」(川崎市教育委員会連携事業)を生田キャンパス・地域産学連携研究センター多目的室で開催した。

講師を務めたのは、政治経済学部のクリスチャン・ポラック客員教授。経営者として忙しい日々を送りながら、日仏交流史に関する研究を続けている。

講座は、「日本とフランスとの運命的な交流のきっかけは、ヨーロッパで起きた蚕(カイコ)の流行病により、養蚕業が壊滅状態となったことである」との説明から始まった。

ポラック客員教授は「フランスにとっては流行病に唯一耐性があった日本の蚕を手に入れることが、日本にとってはフランスの持つ最新技術を得ることが重要であった」ことなど、両国の相互依存的経済交流の歴史について、豊富な資料と共に紹介。「富岡製糸場は、フランスに安定的かつ大量に生糸を輸出することが目的で建設された国家的プロジェクトであった」と解説した。

満員の会場はスクリーンに映し出される鮮やかな“ポラック・コレクション”に息をのみ、知られざる日仏交流史と富岡製糸場の歴史に耳を傾けた。さらに、ポラック客員教授が3週間前に発見したばかりという当時の貴重な風景写真も、本邦初公開された。

最後は、受講生から富岡製糸場の総工費や建築様式などについて多岐にわたる質問が続き、講座は大盛況のうちに幕を閉じた。(社会連携事務室)