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「縁」山﨑 美好子(1975年 法学部卒)

主人を亡くして4年、何事も自分で解決しなければと不安な毎日を送っていた頃、ホームカミングデーには即、参加を決めました。

ホームカミングデー当日、偶然出会った旧友から、山の上ホテルでフランス料理をご一緒に、と誘われたのです。驚いた事に、そこには良く知った法学会の同窓生が、しかも4組のご夫婦になられて。当日来られなかった人達も含めて、旅行をしたり、旧交を温めているとのこと。懐かしく、満たされた一時でした。

振り返ると、語学系大学の他に仏法の明大を受験しなかったら、納谷廣美先生の民事訴訟法・伊藤進先生の物権法の前年に選択したシェイクスピアのプロゼミの先輩から法学会を勧められなかったら、今日のこの一時はなかったかもしれない。

現代法研究室の答案練習で、弁護士には向いていないよと言われ、あっさり断念したこと。幸い、学長推薦を得て、国鉄秘書室に入り、公務員になって喜んだのも束の間、僅か1年半余りで結婚し、専業主婦になったこと。40代で学芸員の聴講生として、再び明大に通うことになったこと。

その時々に縁あって選択を繰り返してきたのだけれど、少しのゆとりと、多くの人々の支え無しでは成し遂げられなかったでしょう。今度は、そろそろ貴女が誰かを支える番だよ、という声がします。私の寄付はほんの一雫の些細なものでしょう。それが波紋となって、大きな円・縁になるよう願うばかりです。