和泉におけるグローバル・キャンパス化の推進
和泉委員会委員長 桑森 真介
昨年4月から和泉委員会委員長を拝命いたしました。本紙は、学内の教職員だけでなく、学生の保護者の方や校友の方もお読みになると思います。これらの方々には、「和泉委員会」がどのような会議体であるのかわかりにくいと思いますので、まず簡単に説明させていただき、続いて最近の活動について紹介させていただきます。
和泉キャンパスでは、文系6学部の主に1・2年生が学んでいます。和泉委員会は、これらの学部の1・2年生の教育を担当する教員を中心に構成されている会議体です。外国語、人文科学、社会科学、自然科学、情報科学、保健体育など、さまざまな分野を専門とする教員から構成されるという和泉委員会の特色を活かして、会議では、全学で進めようとしている取り組みについて、学部や専門分野を超えた意見交換・議論をしています。
具体的な協議内容は、本学で進行中の「スーパーグローバル大学創成支援」事業(以下、SGU)や「総合的教育改革」に関する今後の教育研究の方向性についての内容、あるいは各学部の授業で使用する教室の調整ルールや情報機器の整備・拡充方針の策定といった、施設や設備の利用・拡充に関する実務的な内容まで、多岐にわたっています。
総合的教育改革の第一歩として、2017年度より1コマ100分の時間割を導入することが決定されています。そのほか、総合的教育改革の一環として、授業科目ごとに番号を付す“ナンバリング”の導入が検討されています。総合的教育改革により、学修の目的に合わせた授業設計や学生の海外留学が容易になります。また、本学のSGU構想は、主体的に学び、考え、行動し、多様な価値観の中で、新たな未来を切り拓くグローバル人材(卒業生毎年8000人)を世界に送り出すことを目的としています。
和泉委員会では、国際連携機構やその他の部署と連携を図り、日本人学生と海外からの留学生の交流により、学内にいながら異文化体験ができるような環境をより拡充させるために、国際交流ラウンジを第一校舎1階に移設する方向で進めています。さらに、これに隣接して日本人学生の留学相談コーナーが設置される計画も進められています。これにより、学生が国際交流ラウンジをより活用しやすくなるとともに、より積極的に海外への留学を検討するようになることが期待されます。国際交流ラウンジの移設は、上記のSGU構想の目的にも適うものです。
文系6学部の学生は、和泉キャンパスで学ぶ1・2年の時期に、海外留学を含む4年間の学生生活のプランを立てます。留学を3年になってから考えても、なかなか難しいというのが現状です。また、外国人留学生にとっては、入学後1・2年は、日本での学生生活に適応できるかどうかの重要な時期です。このような意味で、和泉キャンパスを“グローバル・キャンパス”として、さらに整備していく必要があると考えます。
和泉キャンパスでは、海外からの留学生と日本人学生の混住寮の整備および新教育棟建設が喫緊の課題になっています。これらが実現し、和泉キャンパスが真の“グローバル・キャンパス”として機能するようになるため、和泉委員会委員長として尽力していきたいと考えています。
(商学部教授)