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植村直己冒険賞(第20回)マッシャー(犬ゾリ使い)の本多有香氏が受賞

受賞の喜びを語る本多氏 レース後、犬たちと喜ぶ本多氏(佐藤日出夫氏撮影)

体育会山岳部OBの世界的冒険家、故・植村直己氏(1964年農卒)の名を冠した「植村直己冒険賞」(兵庫県豊岡市主催)の第20回受賞者発表が2月29日、駿河台キャンパス・紫紺館で行われ、カナダ在住のマッシャー(犬ゾリ使い)・本多有香氏が受賞した。

同賞は、植村氏の精神を継承し、日本または世界各地の極地・山岳などにおいて、人間の可能性に挑んだ創造的で勇気ある行動をとった(業績を残した)個人や団体を、植村氏の故郷である豊岡市が表彰するもの。

本多氏は大学時代にオーロラを見に行ったカナダで犬ゾリの世界に魅せられ、一旦就職するも、マッシャーになるべく1998年に単身カナダへ。その後、カナダと米アラスカで17年間修行を重ね、マッシャーになる夢を実現。北米二大犬ゾリレースで、日本人女性初の完走を果たした。

2010年にはカナダ永住権を獲得。カナダ・ホワイトホースの森を自力で切り拓き、自分の住む小屋と犬たちの小屋を作って、犬ゾリトレーニングを続けている。

本多氏は「小学生の頃、毎日のようにテレビのニュースで見ていた植村さんの賞をもらえて素直にうれしい。犬たちを思いっきりほめてやりたいし、これからも犬たちと楽しく暮らしていきたい」と喜びのコメント。犬ゾリについて「犬と一体になれる。やめられなくなるぐらい魅力的」と笑顔で語った。

選考委員の一人、西木正明氏(作家)は「これまでの受賞者とはタイプが違い、生活そのものを冒険にしてしまった方。人生をかけて、続けることで夢を実現する。そんな新たな冒険のあり方を示した」と選考結果について講評した。