写真提供=ドナルド・キーン日本文化センター
コロンビア大学といえばニューヨークにある、アメリカを代表する超一流大学のひとつ。そのキャンパスを初めて訪れた。マンハッタンのアッパーウエストにひろがる瀟洒な都市型キャンパスは、学期末のせいか学生たちで混雑し、ざわめきの中にも緊張感が感じられる。
今回ここを訪れたのは、同大学ドナルド・キーン日本文化センターが主催する「セン・レクチャー」のため。裏千家からの寄付金を基金として1988年に創設された、日本文化の理解に貢献する内容の一般向け講演だ。過去の講演者は、武満徹や司馬遼太郎、瀬戸内寂聴や桐野夏生と、錚々たる顔ぶれ。これに詩人として招待されることが決まったのがほぼ1年前で、以後半年あまり、どんな内容にするかさんざん悩んだ末、結局「見えない波 2011年3月11日以後の日本のアーティストたち」というタイトルで1時間ほどの英語講演を行うことにした。