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国際武器移転史研究所 第3回シンポジウム「第二次世界大戦は不可避だったのか」

質疑応答では鋭い質問も飛び交い、活発な議論がなされた

明治大学国際武器移転史研究所(研究所長:横井勝彦商学部教授)は5月31日、「第二次世界大戦は不可避だったのか—軍縮・軍備管理から考える—」をテーマにしたシンポジウムを駿河台キャンパス・グローバルホールで開催。研究者や学生など約130人の聴衆が会場を埋め、関心の高さをうかがわせた。

総合的な歴史研究を通じ、軍縮と軍備管理を阻む近現代世界の構造を明らかにすることを目指す同研究所は、これまでにも「軍備管理と軍事同盟の<いま>を問う」「航空機の軍民転用と国際移転」をテーマに各分野の研究者が集うシンポジウムを開催してきた。

第3回目となった今回は、倉松中・青山学院大学国際政治経済学部准教授、松永友有・横浜国立大学国際社会科学研究院教授、小谷賢・日本大学危機管理学部教授の気鋭の3研究者が、「ジュネーヴ海軍軍縮会議(1927)決裂の背景」「ジュネーヴ軍縮会議(1932-34)の挫折過程」「第二次ロンドン海軍軍縮会議予備交渉(1934)の過程」についてそれぞれ報告。戦間期の軍縮交渉に関する背景や交渉過程を解説して、第二次世界大戦に至る道が不可避だったといえるかどうかについて検証した。

休憩を挟んで行われた質疑応答では、登壇者を唸らせるような鋭い質問が多数寄せられた。「どのような価値・理念の共有がなされれば、第二次世界大戦を回避することができたのか」という質問に対して、小谷教授が「どの時代も価値観の共有は難しいが、世界平和の理念の下、力のある国が率先して協調する姿勢をみせなければならない」と見解を示すなど、現代社会が抱える軍縮・軍備管理の問題との関連性について活発な議論がなされ、盛会のうちに終了した。