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リバティアカデミー オープン講座「18歳選挙権と若者の政治意識」を和泉で開催

幅広い年齢層の受講生にわかりやすく説明した井田教授 政治意識の高い多くの受講生がつめかけた

18歳選挙権のもとで初めて行われる2016年参議院議員選挙を1カ月後に控え、明治大学の生涯学習機関・リバティアカデミーは6月18日、オープン講座「18歳選挙権と若者の政治意識~導入の背景と現状を考える~」を和泉キャンパス・和泉図書館ホールで開催。高校生から年配者まで幅広い年齢層の受講生約100人が、今話題のテーマについて理解を深めた。

講師を担当した井田正道政治経済学部教授は、まず、近代民主選挙の原則や、日本における選挙権拡大の歴史を振り返った上で、世論の反対や成人年齢と選挙権年齢の整合性などの諸問題があり、20歳選挙権が約70年間続いてきたことを解説。続いて、「世界をみても18歳選挙権を採用している国が圧倒的に多い」と、世界における選挙権の変遷を紹介した。

1970年代から18歳選手権を導入している欧米先進諸国では、若者の政治的・社会的成熟や、戦争、徴兵制など当時の社会情勢が背景にあったが、今回の日本では、「社会保障や消費税などの財政問題をはじめ、社会の諸問題について若者が主体的に考える必要があるという機運の高まりのもと実現した」と、経緯を説明した。

さらに、若者の政治意識については、1970年代後半以降、若者の政治への無関心が徐々に高まり保守的な現状維持志向が上昇、近年の内閣府の調査でも「若者が最も生活に満足している」という結果が得られていることなどを紹介。また、二大政党制が確立し、家庭内で主権者教育が継承されているアメリカとは異なり、「日本では55年体制の崩壊により選択することが難しい状況にあるのでは」と若者の投票率低下について分析した。

終了後には、教育現場における効果的な主権者教育の手法や選挙制度改善の具体策、議員の資質に関する質問などが多数寄せられ、受講生の政治意識の高さを伺わせた。