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順天堂大との大学間連携事業が始動

けがの応急処置法なども紹介されたスポーツドクター講演会 天野氏のメッセージは多くの高校生の心に響いた

明治大学は昨年12月、順天堂大学と教育・研究活動の交流と連携の推進を目的とした大学間交流に関する「包括協定」を締結した(本紙第688号既報)。以後、図書館の相互利用をはじめ複数の分野で、連携事業の具体化に向けた取り組みが始まっている。

◇順天堂大学スポーツドクターによる講演会

本学の体育会運動部を対象に、「順天堂大学スポーツドクター講演会」が5月14日、駿河台キャンパス・リバティタワーで開催された。端艇部や相撲部、競走部、ラグビー部など20の運動部から約60人の指導者、学生が参加した。

第1回目となった当日は、池田浩医師が「トップアスリートのメディカルサポートについて」、金子晴香医師が「ドーピングについて」それぞれ講演した。2014年サッカーワールドカップブラジル大会に出場した日本代表にチームドクターとして帯同するなど、現場でトップアスリートをサポートしてきた池田医師は、スポーツによるけがの治療と予防、身体能力の強化、パフォーマンスの向上などの話題に触れながら、最新のスポーツ医学の一端を解説した。金子医師は、アスリートにとって効果的なサプリメントの使用や、市販薬の中に含まれるドーピングに関わる成分などについて説明。参加者からは「風邪薬にもドーピング検査に引っかかる成分があると聞けたので気を付けたい」との感想が聞かれ、日々の生活や今後のトレーニングに役立てようとしていた。

同講演会は、6月4日にも別テーマで実施されており、今後も「女性アスリートのけがと予防」「下肢外傷の解説と対応」など、さまざまな内容で行われる予定となっている。

◇天皇陛下の執刀医・天野篤病院長が明治高校で講演

5月28日、明治大学付属明治高等学校は高校2・3年生を対象にキャリア教育講演会「ようこそ先輩」を同校鵜澤総明ホールで開催。今年度は「エキスパート職種の視点」として、明治大学と順天堂大学との包括協定に基づく、順天堂大学医学部附属順天堂医院・天野篤病院長を招いた特別講演会も併せて実施した。

心臓外科医で天皇陛下の執刀医も務めた天野氏は、「心臓外科からの贈りもの」と題し、外科医を目指したきっかけや、医師の心得などをわかりやすく説明。「人は、人を良くするために生きている。何事もあきらめないことが大切」という言葉をはじめ、幾多の困難を乗り越えその道を究めてきた天野氏の言葉に、高校生は熱心に耳を傾けていた。

講演後の質疑応答では、活発な意見交換が行われるなど、自らの将来を考える上でまたとない貴重な機会となった。


リバティアカデミーで包括協定締結記念講座の開催が決定

生涯学習機関・リバティアカデミーでは2016年度秋期講座として、「江戸・明治期の医学・医療の歴史—歴史を読み解く新たな視点—」をテーマに、順天堂大学日本医学教育歴史館でのフィールドワークを含む、全6回の講座の開催が決定しました。詳細は、8月発行予定の「リバティアカデミー2016年度秋期講座パンフレット」でご確認ください。