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農学部野菜園芸学研究室がトマトやアスパラガスの新しい栽培法を全国に普及へ~新世代アグリチャレンジャー育成講座を開催~

日本初、リコピン含量と糖度を数秒で同時測定できる「フルーツセレクター」の実演 アスパラガスの新栽培法「採りっきり栽培」の後作物の試験区を視察

農学部野菜園芸学研究室(元木悟准教授)は8月3日、パイオニアエコサイエンス株式会社との共催による産学連携セミナー「新世代アグリチャレンジャー育成講座」を、生田キャンパスで開催した。4年に渡って蓄積した共同研究の成果を現場に活かすことを目的とし、アスパラガスの新栽培法「採りっきり栽培」やミニ・中玉トマトの露地・省力栽培法「ソバージュ栽培」に焦点をあてた同講座。野菜の生産者や流通・販売業者、マスコミ関係者らを合わせ、全国各地から約300名が参加した。

午前の部は、生田キャンパス内の南圃場で元木准教授および野菜園芸学研究室の学生による説明の下、トマトの「ソバージュ栽培」を見学。その場で完熟トマトの試食も行われた。続いて北圃場に移動し、太くて新鮮なアスパラガスが1年で収穫できる「採りっきり栽培」を視察した。

午後は、研究室の学生たちが作った調理用トマトのペーストの試食を行いながら、同研究室と株式会社クボタが共同で開発を進める、“日本初”のミニ・中玉トマトを乗せるだけでリコピン含量と糖度が、同時に分かるフルーツセレクターの実演を実施。参加者は持参したミニ・中玉トマトを実際にフルーツセレクターに乗せ、自身で育てたトマトの出来を確認するなど興味深そうに計測していた。同研究を担当している染谷美和さん(農4)は、「自分が今まで行ってきた研究が、生産・流通現場に役立つ形になったことを実感でき、とても嬉しい」と日々の努力の成果が形に表れ、満足気に感想を述べた。

その後も、元木准教授および北條怜子さん(農研博士前期課程2)によるトマトの「ソバージュ栽培」についての技術セミナーや、野菜ジャーナリストの篠原久仁子氏をコーディネーターに迎えたゲストトークセッションが行われ、同研究室の先端研究に触れる一日となった。