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理工学研究科建築学専攻が国際シンポジウム「グローバル社会における地域再生の意味」を開催

ハーバード大・マリガン准教授の基調講演 多角的に地域再生について議論したパネルディスカッション

大学院理工学研究科建築学専攻国際プロフェッショナルコース(I-AUD)は7月26日、国際シンポジウム「グローバル社会における地域再生の意味」を中野キャンパス・5階ホールで開催した。

このシンポジウムは、I-AUDとハーバード大学大学院デザイン学部が、都内の建築系の大学院生とともに特定地区の問題点に着目し、新旧文化を織り交ぜた将来のビジョンを提案する協働型ワークショップ、「ハーバード大学大学院デザイン学部夏期ワークショップ2016」(7月25日~30日)の関連イベントとして企画されたもの。

当日は、ハーバード大学建築実践コース准教授のマーク・マリガン氏による「国際的な建築・都市デザインとハーバード大学の建築・都市デザインの教育方法」をテーマにした基調講演でスタート。マリガン氏は日本での実務経験や、世界的建築家・丹下健三氏の建築プロセスを学ぶ学生、同大学院デザイン学部における授業内容について紹介した。

続いて、国内主要大学の都市・建築系を専門とする教授らが登壇。本学理工学部の小林正美教授が市民とともに作り上げた兵庫県・姫路駅の再開発事業をはじめ、千葉県鋸南町の閉校になった小学校を道の駅としての再生(渡辺真理法政大学教授)、歴史的町並みを新しい施設に承継した茨城県桜川市の真壁伝承館(木下庸子工学院大学教授)、住む人に寄り添った住まいづくり(建築家のジム・ランビアーシ氏)など、自身の携わったプロジェクト事例を報告した。

佐々木宏幸理工学部准教授も加わって行われたパネルディスカッションでは、グローバル社会における地域再生について議論を展開。佐々木准教授は、地域の特性、自然、色、素材などその土地の持つ“DNA”を尊重したデザインアプローチや、地域の方々と協働で進めていくデザインの過程の重要性について訴えた。さらに、都市デザインの専門家が従来の専門分野とともに職能を拡げていく努力が求められている点について、「I-AUDでは、地域の問題に目を向けながら国際感覚も合わせ持つ、視野の広い若手建築家やアーバンデザイナーを養成していきたい」と意義を述べ、締めくくった。