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連合駿台会寄付講座でチュチュアンナ上田社長が講演

「創造、努力、和」が全従業員のモットーと上田氏 終了後には学生たちの質問攻めに

リバティアカデミーは10月18日、連合駿台会寄付講座「革新的進歩の世界観」を駿河台キャンパス・グローバルホールで開催した。靴下やインナー・ウェアを国内外で展開する(株)チュチュアンナ代表取締役の上田利昭氏(1968年法学部卒)を講師に迎え、果敢にチャレンジを続ける同氏のビジネスマインドや今後のビジョンが明かされた。

大学卒業後、関西地区でスーパーを展開していた(株)ニチイ(現在のイオングループ)へ入社。「松下幸之助を超える経営者になる」とビジネスの世界に飛び込んだにも関わらず、最初の配属先が靴下売り場で「半年間、ひたすら靴下の陳列棚を整理していた」と不本意だった日々を紹介。「上司から『まず、1年頑張れ』の一言。でも結局、今でも靴下の仕事をしている」と笑顔で振り返った。

「社会の役に立つビジネスがしたい」と独立を決意し、5年半勤務したニチイを退社してからは、紆余曲折を経て婦人靴下の卸業「チュチュアンナ」を創業。1994年、「自ら作った商品を自らの手で販売したい」と小売業に転換してからは、素材と質感を大切にした商品展開で、インナー・ウェアなどの新規事業にも参入、海外でも250店舗以上展開するなど、新しいトレンドを生み出してきた。一方で、二度の工場火災や、従業員の相次ぐ退職、仕事一筋による家庭崩壊の危機などを経験しながら経営のみならず自身の変革に取り組んできたエピソードに触れ、「困難な問題に直面しても、逃げずに対峙して自らの使命を全うしてきた」と、これまでの歩みを紹介した。

変化が激しい社会の中、常に新しいことにチャレンジする重要性を説いた上で、「今後の目標は、教育」と断言。バングラディシュやベトナムなど東南アジアを中心に幼稚園、小学校といった教育施設の建設支援を2009年から続けている同氏は、「明治大学で学んだことを生かし、基本に忠実に邁進したい」と次世代に対する熱い思いで結んだ。