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新領域創造専攻総合芸術系(PAC)が始動 —岡﨑乾二郎氏講演会を開催

現代世界における芸術と歴史の位相をめぐった岡﨑氏の講義

理工学研究科新領域創造専攻は11月18日、造形作家・美術批評家の岡﨑乾二郎氏を迎え、「歴史をほぐし、縫い合わせる線~生きたアーカイブ」と題する講演会を駿河台キャンパス・リバティタワーで開催した。

岡﨑氏は2002年度ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展のディレクターを務め、多方面にわたる創作と、美術や社会や歴史をめぐる根源的思考により、常に注目を集める存在。当日は学外からも多くの参加者があり、ルネサンス絵画から現代舞踊、ロボット工学におよぶ自由闊達、天衣無縫の岡﨑氏の講演に、大きな知的高揚を与えられる機会となった。

新領域創造専攻は来春から建築・都市学専攻の一部へと移行し、ディジタルコンテンツ系は総合芸術系(略称PAC)へと組織替えをする。PACとはこの新しい系の探求領域を示す言葉で、場所(places)、芸術(arts)、意識(consciousness)を並べたもの。現代世界のさまざまな問いを総合的に考える知的冒険に、新たな一歩を刻むことが期待されている。

諸ジャンルの作品制作と論文の組み合わせで修士号を取得できるプログラムは全国でも珍しい。さまざまな分野での創造を横断するこの試みの場に、ぜひ多くの皆さんに参加していただきたいと願っている。

(理工学部教授 管 啓次郎)