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リバティアカデミー講座「女性誌の変遷は、時代の移ろい」江下教授が講演

終了後は、受講生から質問が寄せられるなど高い関心を集めた

明治大学の生涯学習機関・リバティアカデミーは11月12日、「日・仏女性誌の歴史から観る、時代の変遷~“雑誌”というメディアの果たす役割とは~」と題するオープン講座(杉並区教育委員会共催)を、和泉キャンパス・和泉図書館ホールにて開催。情報コミュニケーション学部で情報社会論やメディア史を担当する江下雅之教授が講師を務め、80人を超える受講生が熱心に耳を傾けた。

江下教授は、「メディアの歴史」の中でも、新聞や雑誌といった「プレスの歴史」をさらに「女性誌史」という細かく区切った一分野を扱い、フランスの女性誌史を黎明期・拡大期・絶頂期~暗黒期・転換期の4つの期間に分け、全体像を紹介した。絶頂期~暗黒期にあたる第一次世界大戦下に発行されたフランスの主婦向け雑誌では、その内容が戦況により変化し、最終的には出征した夫を亡くした後も銃後を守る未亡人が表紙に描かれるに至った経緯などを説明。世情が雑誌に与えた影響、反対に、雑誌の流行が社会に与えた影響を、江下教授自らが収集を続ける貴重な資料とともに解説した。

「新しく立ち上がる雑誌のコンセプトには、時代の流れが反映され、社会に大きなインパクトを与える」として、戦後誕生した女性の権利や地位向上に関する雑誌は、浸透には至らなかったが、新しい価値観を社会に広げた重要な要素であったという考察も披露。最後は、近年飛躍的に発達を遂げたTwitterやInstagramなどのSNSや、ファッション・ブログなどにおける現代のメディアが及ぼす影響についても触れ、講座は大盛況のうちに幕を閉じた。