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「日本国際漫画賞」記念シンポジウム 明大で開催

藤本教授(左)らがマンガの可能性について議論を深めた

海外へのマンガ文化の普及と、マンガを通じた国際交流に貢献したマンガ作家を顕彰する「日本国際漫画賞」(主催:外務省)の第10回日本国際漫画賞記念シンポジウムが2月6日、駿河台キャンパス・グローバルホールで開催された。

冒頭、共催団体を代表してあいさつに立った土屋恵一郎学長は、明治大学のマンガを起点とした取り組みについて紹介し、「世界において日本のマンガは大切な財産。この漫画賞がさらに発展することを祈念している」と今後の展開に期待を寄せた。

続いて、同賞の審査委員長を務めるマンガ家の里中満智子氏が、「日本国際漫画賞の歩み」と題して基調講演。手塚治虫をはじめ先駆者たちが、多彩な表現で生み出してきた日本のマンガが世界にどのような影響を与え、マンガ家を生み出してきたかなど、過去の受賞作品を振り返りながら解説した。

休憩後に行われたパネルディスカッションでは、「日本国際漫画賞が目指すもの~世界の中でMANGAとは?~」をテーマに3人のパネラーが登壇。国際日本学部の藤本由香里教授がコーディネーターを務めた。

作家・翻訳家として海外への普及活動をしているフレデリック・L・ショット氏は、手塚治虫が残した“漫画こそ民族、国家を超越した国際語”という言葉を紹介しながらマンガの未来を展望。(株)KADOKAWA海外事業局の吉田さをり氏は、中国で手掛けたマンガプロジェクトを紹介した上で、それぞれの国の商習慣に合った基盤・環境作りの重要性を紹介し、『味いちもんめ』などの作者であるマンガ家の倉田よしみ氏は「書きたいものを書く。そうして日本のマンガはこれからも発展していく」と書き手の立場で訴えた。

さまざまな知見から議論が深められると、藤本教授は「良いものを取り入れて、日々進化していくのがマンガ。日本と海外のマンガが双方で影響を与え合い、漫画賞を通して発信していければ」と締めくくった。