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「明治は惑わず、わが道を進め」経営学部教授・小笠原 英司

私は学部ゼミ・大学院を故・藤芳誠一博士(経営学部長、教務理事等歴任)のもとで修学する機会を得て、その後もまさに公私両面で大変お世話になりました。定年退職するにあたり、50年前に先生とめぐり会えた僥倖に、あらためて感謝の念を深くしています。

学生時代の最大のトピックは「明大紛争」でした。特に1968年6月に明大通りで学生と機動隊が衝突した「神田カルチェ・ラタン闘争」は、私自身はノンポリ学生でしたが、忘れられない思い出です。キャンパスには革命夢想の無味乾燥な「立て看」が並び、いつしかそれも日常の風景となりました。そして時は流れ、あれもこれも、今は昔の「歴史」になってしまいました。

明治大学の変貌の端緒は、なんと言ってもリバティタワーを始めとする施設刷新にあったことは否定できません。そのお陰で野暮ったい明治がオシャレな明治にイメージ転換することもできました。女子受験生に人気の明治なんて、隔世の感があります。もちろん容れ物ばかりではなく、歴代学長・学部長のもとで各学部のイノベーションが積極的に図られました。その成果が現在の本学の発展として結実していると信じます。反面、今でもときどき「ワセダに追いつき追い越せ」などという合言葉を耳にします。最後なので率直に言いますが、もうそういうつまらない劣等競争心は捨てようではありませんか。自律的自己統制こそ本学の規矩とすべきです。明治はオンリーワン明治なのですから。

さて、すべての教職員の皆様、大変お世話になりました。有難うございます。母校の着実な発展を心から祈念し、万感を胸に去ります。