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第21回 植村直己冒険賞・登山家でカメラマンの平出和也氏が受賞

登山家、カメラマンの“二刀流”で活動する平出和也氏

世界的冒険家、故・植村直己氏(1964年農卒、山岳部OB)の精神を継承し、自然を相手に創造的な勇気ある行動をした人物または団体に贈られる「植村直己冒険賞」(兵庫県豊岡市主催)。第21回目の受賞者発表記者会見が2月16日、駿河台キャンパス・紫紺館で行われ、アルパインクライマーで山岳カメラマンの平出和也氏が受賞した。

平出氏は、困難な未踏ルートに挑戦し成功してきたことに加え、重い機材を抱えながら世界的な登山家を撮影するなど、登攀技術、撮影技術の両方を高く評価されての受賞。選考委員の一人、西木正明氏(作家)は、「今回はいわば『恐れ入りました受賞』だ」と絶賛した。

記者会見では、現在の登山スタイルにつながった経緯や山岳カメラマンとして2013年に80歳でエベレスト(8848m)登頂を果たした三浦雄一郎氏の撮影中のエピソードなどが披露された。冒険家・植村氏について記者から質問が投げかけられると、「海外に行くことや登山をすることが今ほど情報も少なく時間もかかった時代から、山に想いを馳せ、大きな目標に向かっていった “冒険に対する想い”は植村さんをはじめ先人の登山家から学ばせてもらった」と敬意を表した。

受賞については「応援してくれた仲間たちとみんなで取った賞」と喜びの表情で語り、「志半ばで亡くなった仲間たちのためにも、冒険を続け、素晴らしい景色を多くの人に見せてあげたい」と、今後の意気込みを語った。

なお、今回は特別賞として、「『はんしん自立の家』甲山登山隊」が受賞。障がい者支援施設「はんしん自立の家」の入居者に対し、学生ボランティアなどに協力を得ながら、登山のサポートをしてきた功績が評価された。