学務担当常勤理事 鈴木 利大
奨学金は、十分な学力を有し、大学進学への強い意欲を持っているが、経済的理由で就学が困難な学生に学資の供与を行い、学生が安心して勉学に専念できる環境を作ることを目的としている。今までの奨学金は貸与型が中心で、日本学生支援機構の奨学金はすべてが貸与型であった。有利子と無利子とがあり、無利子であっても月6万4000円を借り入れた場合、社会人としてのスタート時に約307万円の借金を抱えてのスタートとなる。かなりの重荷を背負ってのスタートである。このことを考えると、給費型奨学金の充実が非常に重要となってきている。
3月31日の参議院本会議において全会一致で、日本学生支援機構法が改正され、返済義務を持たない給付型奨学金制度が立ち上がった。月額2万円~4万円を給付する制度で、主に住民税非課税世帯の1学年2万人を対象とし、2018年度から開始する。私立大学生で下宿生活をしているものや養護施設出身者ら約2650人については2017年度より先行実施する。
明治大学では、国の給付奨学金制度導入以前に、貸与型奨学金から給費型奨学金へと大きく転換し、家計急変等に伴う貸与は例外として、2017年度をもって貸与型奨学金の募集を停止し、2018年度から全面的に給費型奨学金となる。現在、「特別給費奨学金」「給費奨学金」「災害時特別給費奨学金」「スポーツ奨励奨学金」「大学院研究奨励奨学金」「校友会奨学金」「未来サポーター給費奨学生」など、21の奨学金があり、2016年度実績で約10億5000万円の奨学給付を行っている。貸与型奨学金の2016年度実績は約1億5000万円、奨学金総額は約12億円で、明治大学の奨学金の約9割がすでに給費型奨学金となっている。日本の私立大学の中でも給費型奨学金の比率は極めて高い状態にある。
この奨学金給付額を増額することはもちろんであるが、その中身を改善していくこともまた急務となっている。特に地方出身の学生は、自宅通学の学生に比べて、東京の大学で勉学するのに年間約150万円も多く費用がかかる場合もある。地方から明治大学への進学を促していくためにもこの格差を是正することは重要である。まだとても十分とは言えないが、2010年度から未来サポーター募金制度を開始した。この募金の一部を用いて未来サポーター給費奨学生として授業料の年額2分の1相当額を給付している。また、明治大学給費奨学金では自宅が首都圏にある学生には文系では年額20万円、理系では30万円を給付し、自宅が首都圏外の学生には文系で30万円、理系で40万円を給付するものなどがある。今後も地方からの学生の経済的負担を軽減すべく制度の改善を検討していく。
さらに、経済的困窮者への支援目的とした奨学金を拡充する計画や、受験生の高校時代の成績を基準に、大学受験に合格したならば入学時に奨学金を得ることができる予約型奨学金制度の構築も考えていかなければならない。
これらの給費型奨学金制度をより良いものに作り上げるために、校友、保護者の皆様の温かい寄付をお願いする次第である。
(政治経済学部教授)
3月31日の参議院本会議において全会一致で、日本学生支援機構法が改正され、返済義務を持たない給付型奨学金制度が立ち上がった。月額2万円~4万円を給付する制度で、主に住民税非課税世帯の1学年2万人を対象とし、2018年度から開始する。私立大学生で下宿生活をしているものや養護施設出身者ら約2650人については2017年度より先行実施する。
明治大学では、国の給付奨学金制度導入以前に、貸与型奨学金から給費型奨学金へと大きく転換し、家計急変等に伴う貸与は例外として、2017年度をもって貸与型奨学金の募集を停止し、2018年度から全面的に給費型奨学金となる。現在、「特別給費奨学金」「給費奨学金」「災害時特別給費奨学金」「スポーツ奨励奨学金」「大学院研究奨励奨学金」「校友会奨学金」「未来サポーター給費奨学生」など、21の奨学金があり、2016年度実績で約10億5000万円の奨学給付を行っている。貸与型奨学金の2016年度実績は約1億5000万円、奨学金総額は約12億円で、明治大学の奨学金の約9割がすでに給費型奨学金となっている。日本の私立大学の中でも給費型奨学金の比率は極めて高い状態にある。
この奨学金給付額を増額することはもちろんであるが、その中身を改善していくこともまた急務となっている。特に地方出身の学生は、自宅通学の学生に比べて、東京の大学で勉学するのに年間約150万円も多く費用がかかる場合もある。地方から明治大学への進学を促していくためにもこの格差を是正することは重要である。まだとても十分とは言えないが、2010年度から未来サポーター募金制度を開始した。この募金の一部を用いて未来サポーター給費奨学生として授業料の年額2分の1相当額を給付している。また、明治大学給費奨学金では自宅が首都圏にある学生には文系では年額20万円、理系では30万円を給付し、自宅が首都圏外の学生には文系で30万円、理系で40万円を給付するものなどがある。今後も地方からの学生の経済的負担を軽減すべく制度の改善を検討していく。
さらに、経済的困窮者への支援目的とした奨学金を拡充する計画や、受験生の高校時代の成績を基準に、大学受験に合格したならば入学時に奨学金を得ることができる予約型奨学金制度の構築も考えていかなければならない。
これらの給費型奨学金制度をより良いものに作り上げるために、校友、保護者の皆様の温かい寄付をお願いする次第である。
(政治経済学部教授)