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リバティアカデミー・「『アメリカらしさ』とは何かについて考える」を開催

会場は多くの人で埋め尽くされた 多様性に溢れたアメリカを解説する矢ケ﨑教授

明治大学の生涯学習機関・リバティアカデミーは5月27日、オープン講座「『アメリカらしさ』とは何かについて考える~銃規制からトランプ氏勝利まで~」を和泉キャンパス・第一校舎211教室で開催した。杉並区教育委員会との共催で行われた本講座には、当初予定から大幅に上回る約250人が来場。注目の高さをうかがわせた。

講師は、アメリカ文化、心理人類学が専門の矢ケ﨑淳子法学部教授(社会連携副機構長)が担当した。矢ケ﨑教授は冒頭、州ごとで異なった文化を形成する地域性や、国の成り立ちに起因する民族性を兼ね備えたアメリカついて、自身の留学、研究滞在を踏まえながら分かりやすく説明。「アメリカをひとつに定義付けることは難しい」と前置きした上で、「民族集団、人種、宗教などが絡み合うアメリカでは“○○系アメリカ人”という概念が存在し、文化的背景を優先する複層化したアイデンティティーを持っている」と、その多様性を改めて強調した。

また、アメリカにおける銃規制について、「連邦法」と「州法」から成るアメリカ法の二元性や銃器産業の巨大化、過去に起きた事件と判決事例を紹介しながら、解決がいかに困難であるかを解説。さらに、トランプ大統領誕生の背景については、これまでの政策に窮屈さを感じていた国民や、一部地域の労働者階級の白人たちが、トランプ氏の登場で「アメリカは素晴らしいという意識、アメリカ人であることの誇りを再燃させた」と、大胆な発言の一方で、垣間見えた緻密な選挙戦略について言及した。

最後は、「バックグラウンドが違えども、『アメリカ人である』という概念で結びついているということが、非常に面白いアメリカらしさではないか」と締めくくり、「皆さんもぜひ自分なりの学びを続けて、自ら考える“アメリカらしさ”を見つけてほしい」と、来場者に呼び掛けた。