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リバティアカデミー・最先端のロボット技術に触れる講座 「自律移動型ロボットとネットワークロボットの現在と未来」

自律移動型ロボットの最前線を披露した黒田教授

リバティアカデミーは6月3日、公開講座「自律移動型ロボットとネットワークロボットの現在と未来」を生田キャンパス・地域産学連携研究センター多目的室で開催した。技術開発が進む自立移動型ロボットとこれを支えるクラウドサービスなどの技術を解説する講座に、中学生から大人まで約100人が参加した。

講義の前半は黒田洋司理工学部教授が担当。本学発のベンチャー企業SEQSENSE社の最高技術責任者も務める黒田教授は、これまでの研究を振り返りながら、同社の計画を紹介。「自律移動型ロボットを市場に投入し、多くのデータを集めることで、より先端研究が進む」と企業設立の経緯を披露し、「今後、圧倒的に労働力が不足する警備事業にロボットを導入し、人手不足の穴を埋めたい」と展望を語った。これに向けて、現在のロボットが、自ら移動しながら高精度の三次元地図を作り、自分の位置を把握しながら目的地まで移動できることを解説し、「将来は、人の多い街中でロボットが溶け込み、活躍する日常を作れたら」と希望を述べた。

続いてTIS株式会社の佐伯純氏が登壇し、ロボットにも活用されるクラウド技術について解説した。佐伯氏はクラウドを「インターネットで接続された先にあるコンピュータの計算能力を使うこと」と説明し、ロボットで使用するメリットとして「搭載する計算能力が抑えられ、コストダウンできる」「別のロボットに経験を活用できる」などの特徴を挙げた。今後の見通しについて「クラウドを活用して経験を積んでいくことで、ロボットの課題対応能力が向上する」と述べ、「ロボットが人の仕事を奪うのではなく、人の生活を楽にしてくれるという視点から市場を作っていきたい」と締めくくった。

講義終了後には、センサー技術や宇宙開発に必要な技術、人工知能の可能性など数多くの質問が寄せられ、受講生の関心の高さをうかがわせた。