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ズームアップ 第566回「新人チームを引っ張ったキャプテン」

バスケットボール部 奥野 綾汰



6月5日から開催された関東大学新人戦は1、2年生にとって年に一度の大舞台。奥野綾汰(国際2=藤枝明誠)は2度目の新人戦を主将として戦い抜いた。普段は同じポジションで出場機会を争う同期と共に戦える数少ないチャンス。主将としても、いつも以上に気持ちを入れ優勝を狙って挑んだ。しかし初戦の慶大戦。開始3分半で野口龍太郎(政経2=九州学院)が重度の捻挫により戦線を離脱。大きな得点源を失い、苦しい立ち上がりとなった。それでも濱西康一監督から「奥野に任せている」と全幅の信頼を置かれるほどのキャプテンシーでチームを引っ張り、さらにこの試合最多となる23得点で野口の穴も埋め、勝利を手繰り寄せた。2戦目は前年度優勝校である青学大と大接戦を展開。結果は惜しくも敗れベスト16で新人戦を終えたが、チームの大半を日本代表経験者が占めるタレント集団に一矢報いた。最後に足がつり限界を迎えるまで奮闘した奥野は「チームをまとめてくれた1番の功労者」(濱西監督)とたたえられた。

悔しい1年目を乗り越えたからこその活躍だった。昨年のリーグ中盤、10月2日の専大戦。リバウンドに飛び込んだ際に、右膝が内側に入り倒れ込んだ。ケガは軽度だと1カ月程度で治る膝内側側副靭帯損傷だが、今でも右膝にサポーターを着けるほどの重傷だった。チームが快進撃を見せていく中、試合に出場することができず、同期の活躍を見て「へこんだし、すごく悔しかった」。それでも「今年1年はそういうふうに悔やむことはなく、一緒に切磋琢磨してチームを引っ張っていきたい」。私生活でも仲良しな同期たちと、最高の再スタートを切った。

(おくの・りょうた 国際2 藤枝明誠高 188cm・88kg)

文/日野空斗(情コミ2) 写真/田中愛(情コミ3)