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国際武器移転史研究所 第5回シンポジウム「冷戦期南アジアにおける軍事援助の展開」

質疑応答では活発な議論が行われた

明治大学国際武器移転史研究所(所長=横井勝彦商学部教授)は6月27日、第5回シンポジウム「冷戦期南アジアにおける軍事援助の展開」を駿河台キャンパス・リバティタワーで開催した。

総合的な歴史研究を通じて、軍縮と軍備管理を阻む近現代世界の構造を明らかにすることを目指す国際武器移転史研究所。今回のシンポジウムでは、冷戦期の南アジアに注目して、軍事援助が現代世界に及ぼしてきた影響について議論が展開された。特に軍事援助が歴史上いつどのような目的で展開され、また軍事援助を受け入れる側では、どのような判断が行われてきたのかについて、東北学院大学文学部の渡辺昭一教授と横井所長が報告を行い、成城大学法学部の田嶋信雄教授が司会を務めた。

第1報告では、渡辺教授が「イギリスのプレゼンスと軍事援助」と題して、戦後から1968年までの南アジアにおけるイギリスの軍事援助政策の展開を概観。さらには、イギリス、アメリカを中心にソ連、中国の動向を踏まえながらパキスタン、インドへの軍事支援の動向を分析した。

第2報告では、横井所長が「インドの兵器国産化政策と軍事援助」をテーマに解説。1947年以降のインド空軍へのソ連や西側諸国の軍事援助、インド航空機産業におけるライセンス生産の意義、途上国初の産官学連携と航空工学科拡充計画など、当時の国防政策と航空機産業の関連について説明した。

質疑応答では、各国の思惑が複雑に絡み合う国際関係の中で軍事援助が行われてきた要因や影響などについて、会場から多数質問が寄せられるなど、さまざまな視点から活発な議論が行われた。