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国際日本学部・山脇ゼミ 中野区長と外国人留学生の懇談会を開催

それぞれの立場から住みやすいまちづくりについて議論

国際日本学部・山脇啓造ゼミ(多文化共生論)は6月27日、中野区と共催で「中野区長と外国人留学生の懇談会」を中野キャンパスで開催。学生や区民ら約70人が参加した。

4回目となる今回のテーマは、「外国人も日本人も住みやすいまちを目指して—住宅問題を中心に—」。外国人が住宅探しをする難しさや、ゴミ出し・近所付き合いといった生活マナーについて、田中大輔中野区長と中国、カナダ、オーストラリア、スウェーデン出身の外国人留学生と日本人学生の計9人(うち4人が中野区在住)が活発な討論を行った。

外国人留学生は日本での住宅探しについて、「賃貸物件を探した時に何回も断られた」「保証人がいないために、保証会社に頼らざるを得ない」「男性同士でルームシェアをすることも難しい」など、それぞれの実体験を披露。これに対し、日本人学生からは、「外国人に貸すと騒音やゴミ出しのトラブルが起きると考えるのはおかしい。日本人でも、近所迷惑が起こるケースがある」といった意見が出された。

ゴミ出しについては、「日本のルールは厳しい、複雑で分かりにくい」といった意見が外国人留学生から出されると、田中区長から、中野区で準備を進めている「多言語版ゴミ出しアプリ」の概要が紹介された。その後の質疑応答では、不動産会社やアパートのオーナーを務める参加者から、外国人に対する物件契約の現状について説明があるなど、それぞれの立場から活発な意見交換が行われた。

法務省が行った全国の外国人住民の実態調査においても、住宅探しの際に、最も偏見や差別を感じることが多いという結果が出ている。こうした現状を踏まえて田中区長は「外国人の方が身近に暮らしているのが当たり前という地域社会をつくっていきたい」と多文化共生の実現に向け意気込みを述べ、山脇教授は「行政と大学そして民間が連携して、この課題に取り組むことは大きな意義がある」と締めくくり、閉会となった。