Go Forward

リバティアカデミー 「長期投資の時代~金融制度改革の行方~」を開催

「国民一人ひとりが経済的自立を実現することが重要」と中野氏

リバティアカデミーは7月8日、(株)明大サポート寄付講座「長期投資の時代~金融制度改革の行方~」を駿河台キャンパス・リバティホールで開催した。セゾン投信(株)代表取締役社長の中野晴啓氏(1987年商学部卒業)を講師に招いた同講座には、梅雨明け前の猛暑の中、約300人の受講生が集まり、関心の高さをうかがわせた。

中野氏は、大学卒業後、現在の(株)クレディセゾンに入社し、投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金運用のほか、海外契約資産などの運用アドバイスを手掛けた。その後、2006年にセゾン投信(株)を設立し、翌年4月より現職。6000本あるといわれる投資信託は、99.9%が銀行または証券会社で販売されている中で、同社は「直接販売」をビジネスモデルに、「徹底した長期投資」を運用コンセプトに掲げ、現在では顧客数12万5000人、純資産総額は1850億円を誇るまでに成長を続けている。

講座の前半では、日本とアメリカの経済成長率や平均株価などを比較し、アメリカが過去50年間安定した右肩上がりの経済成長を続ける中、日本は20年間ほとんど成長していない現状に言及。また、日米個人金融資産に占める現預金の比較では、日本が53%に対してアメリカは13%と、現金を抱え込む日本の現金至上主義の実態を示し、アメリカのように国民レベルで経済活動に参加することの重要性を説いた。

後半は、金融庁が現在進めている「金融制度改革」について紹介。銀行・証券会社などが、顧客の利益を第一に考える営業姿勢に改めることで、「顧客本位の投資信託が増え、長い時間をかけて資産を増やしていける環境が整う」と解説した。最後に中野氏は、「金融庁が我々国民に示す行動規範は、長期・分散・積立投資である。貯蓄から資産形成へ、行動した人は報われる」と、資産投資への第一歩を踏み出すことを呼びかけ、締めくくった。