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ズームアップ第569回「9年ぶり団体準V支えたキャプテン」

柔道部 野々内 悠真



最後の個人戦では結果を残すことができなかった。9月に行われた個人インカレの予選に当たる東京学生体重別選手権。野々内悠真主将(商4=崇徳)は3回戦で姿を消し、全日本への切符を逃した。2年次には全日本で3位に輝いた実績を持つが、最終学年ではまさかの予選敗退。「情けなかった」と試合後は唇を強くかみ締めた。

チームづくりに奔走した。新チームが始動する際、昨年の主将を務めた橋口祐葵選手(平29政経卒・現パーク24)にげきを飛ばされた。「お前は嫌われる存在にならないといけない」。それからは「下級生には厳しいことを言ってきた」。大会に出場する機会が少ない下級生は上級生に比べ、モチベーションも低くなってしまう。「メンバーだけが集中していてもだめ。全員が意識を高く持ってもらわないと」。野々内を始めとした4年生が寮の掃除や雑用など細かいところまで徹底して指導。毎週土曜日には全学年が参加するミーティングを開催した。全員に“チーム”として戦っていることを認識させた。

意識づけの成果が表れたのは春の団体インカレだった。6月に行われた無差別の団体日本一を決める全日本学生優勝大会では、9年ぶりの決勝進出を果たした。「野々内先輩が引っ張ってくれたから決勝まで行けた」(小川雄勢・政経3=修徳)。主将を中心に団結したチームは強かった。

泣いても笑っても最後だ。野々内に残された大会は秋の団体インカレしかない。「ここで腐らないで、また一から頑張っていきたい」。10月末に行われる全日本学生体重別団体優勝大会では悲願の団体日本一をかなえ、個人戦で味わった悔しさを晴らす。
(ののうち・ゆうま 商4 崇徳 177cm・90kg)

文/古賀章太郎(政経2) 写真/髙橋昇吾(営1)