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本棚「明治大学シェイクスピアプロジェクト!——熱闘! Midsummer Nightmare」井上 優+明治大学シェイクスピアプロジェクト 編著(明治大学出版会、2,000円+税)



アカデミーホールをほぼ満席にして、毎年延べ4000人もの観客を前に上演されるシェイクスピア劇を楽しみにしている本学関係者は多く、私もその一人である。実は「学生が日本語でやるシェイクスピアなんて」と数年は食わず嫌いをしていたが、一度観たら病みつきになってしまった。演技の出来栄えもさることながら、弾けるような若い生命力に圧倒され、手作りの温かさと、自分達なりの芝居を作り上げる情熱とが心に響いてきて、舞台と一体化する感覚に酔うのである。本書はこのプロジェクト(MSP)の、観客を虜にする不思議な魅力がどこから来ているのかを解き明かしてくれる一冊である。出演・翻訳・演出から裏方まで全てを担う学生たちの声と豊富な写真を中心に、彼らを支える専門家との対談や、OBG、そしてシェイクスピア研究者の目から見たMSPという構成で、このプロジェクトにさまざまな角度から光が当てられる中に、全体像が鮮やかに浮かび上がってくる。MSPファンにも、まだそうでない人にも是非一読を薦めたい。

清水あつ子・文学部教授(編著者も文学部准教授)