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新聞の見出しにも、学会から届く案内にも、「人工知能(AI)」「深層学習(DL)」という文言が頻繁に登場する。蓄積が進むビッグデータに価値を見いだす技術として(将棋・囲碁ブームを背景に?)応用が期待されている。

「AI白書2017」によれば、DLが起爆剤になり今般のAI第3次ブームが起きたというが、大企業がAIアプリを高度化・一般化したことが連鎖を生み出す原動力となったことも指摘したい。一方で、ビジネスへの応用は徐々に広がりつつあるが、AIは魔法の杖ではない。使い方次第である。つまり、AIに適した用途をビジネスの中に発見し、適切に位置づけられるマネージャクラスの人材の有無が成否の分水嶺だと思うのだが、人材不足が著しいという。

故に、滋賀大学に続き来春には横浜市立大学がデータサイエンス学部を開設し、いよいよ私学がという時に甚だ残念である。内閣府は「日本経済2016-2017」の中でデータサイエンス(DS)を「第4次産業革命」と評価しながら、事務局を努める「まち・ひと・しごと創生本部」主導で23区定員抑制を進めた。「DSは例外」と文科省が一矢を報いることに期待したい。