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バイオリソース研究国際インスティテュート 産学連携シンポ「ゲノム編集技術の産業利用の道筋を探る」

最新の研究成果を報告した長嶋教授

明治大学バイオリソース研究国際インスティテュート(MUIIBR:代表=長嶋比呂志農学部教授)は11月24日、日本ゲノム編集学会と共同で産学連携シンポジウム「ゲノム編集技術の産業利用の道筋を探る」を駿河台キャンパス・グローバルホールで開催。会場は約180人の来場者で埋め尽くされた。

シンポジウムでは、動植物の機能改良や次世代医療に役立つ技術として注目される「ゲノム編集」にスポットを当て、その技術の応用に伴い、今後、産業、生態系、そして人間のあり様にどのような変化が起こり得るのかを検証・議論することを目的としている。

主催者代表の村中俊哉大阪大学大学院工学研究科教授のあいさつではじまったシンポジウムでは、まず長嶋教授が「ゲノム編集技術の稀少難治性疾患研究への応用」をテーマに、自身が取り組む体細胞クローニングという技術を用いた遺伝性疾患のモデルブタを使った研究成果について解説。「畜産への応用の技術基盤は整いつつあるが、社会におけるさまざまな側面に対する利益をベースとした議論が必要」との見解を示した。

その後、水産業や作物育種への応用、特許と知財動向、最新の研究開発動向など4人の研究者による報告に続いて、パネルディスカッションが行われた。長嶋教授が「研究者がゲノム編集技術の明確なメリットを正しく示すことが重要」と述べるなど、ゲノム編集技術の産業利用について意見を交わした。その他にも、社会受容や倫理、行政によるガイドライン、研究者と消費者のコミュニケーションの必要性などに関して活発な議論が行われた。