Go Forward

男女共同参画推進センター 講演会「無意識のバイアスについて」を開催

国内外の具体例について説明するディルワース氏

明治大学男女共同参画推進センター(センター長=浜本牧子副学長、農学部教授)は11月20日、法人役員・大学役職者、事務管理職を対象とした講演会「無意識のバイアスについて」を駿河台キャンパス・グローバルフロントで開催した。

人々が持つ潜在的な既成概念や固定観念に基づいた偏見(バイアス)は、さまざまな判断を下す過程において便利な役割を果たす一方、社会や組織の中で採用・昇進評価の際には女性に対して不利益に働くことが知られている。今回の講演は、こうした意識への理解を深めることを目的として、沖縄科学技術大学院大学(OIST)で男女共同参画・人事担当副学長を務めるマチ・ディルワース氏を講師に招き、実施された。

ディルワース氏は、男女共同参画社会において“無意識のバイアス”がどのような影響を及ぼすのか、各種データを示しながら、働く女性が直面する環境について言及。「バイアスは誰もが持っている。自覚することができず自制は難しいが、理解することで影響を最小限に抑えることができる」と説明した。

さらに、判断を急いでいる時や評価基準があいまいで紛らわしい時などに無意識のバイアスの影響が現れやすいとし、「個人の考え方を変えることは難しいが、判断基準の明確化や手順・手段を変更することが重要」と成功事例を基に解説した。

男女共同参画の実現に向けてディルワース氏は、「大学の将来の存続に大きく関わるものと理解し、大学の最高責任者、中間層リーダーからの100%のコミットメントがないと成功しない」と訴え、「女性だけではなく、キャンパスで働き、学ぶすべての人から賛同を得られるような改善が必要」と締めくくった。