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熊本県市長会連携講座「熊本の世界遺産とその魅力」を開催



リバティアカデミーは11月18日、熊本県市長会との連携講座「熊本の世界遺産とその魅力」を中野キャンパス・5階ホールで開催した。2015年に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の中で熊本県にある宇城市の三角西港、荒尾市の三池炭鉱・万田坑にスポットを当て、世界遺産と観光の関連について考えることを目的とした本講座には、180人を超える受講生が参加した。

基調講演ではまず、NPO法人世界遺産アカデミー特任研究員の目黒正武氏が、万田坑や三角西港が世界文化遺産として登録された背景や、文化・自然など10項目ある世界遺産の登録基準について解説。「世界遺産は唯一無二の個性がある。基準に照らし合わせるとその価値が見えやすい」と魅力を伝えた。続いて、天草市世界遺産推進室前室長の平田豊弘氏が登壇し、来年夏に世界遺産の登録を目指す「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」について講演。行政と地域、大学などが連携した活動を紹介し、「遺産は護るだけなく、知り、活用することで価値が見いだされる。その原点を見失ってはいけない」と持論を展開した。

第三部では、観光学を専門に学ぶ国際日本学部・佐藤郁ゼミの学生が、今年夏に実施した熊本での現地調査を基に、若者目線での観光誘致策について発表。「観光客が大挙するなど訪問される側の悩みを知った。観光資源の適切な活用が必要だ」と語った。その後、佐藤講師をコーディネーターとして目黒氏、平田氏、学生によるパネルディスカッションが「熊本の世界遺産と観光」をテーマに行われた。その中では、観光が与える影響と遺産の保全・活用のジレンマ、一過性ではなく将来を見据えた持続可能な本質的価値の共有の必要性などについて、それぞれの立場から議論が深められた。学生も参加した公開講座は盛況のうちに終了した。