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博物館・商学研究科 鳥取県の民工芸振興官を招いて公開特別講義を開催

多くの注目を集め教室は満席となった

去る2017年11月10日、博物館と大学院商学研究科の共催、商学部の後援により、他専攻科・学部の院生・学生や一般社会人にも門戸を開いた公開特別講義が駿河台キャンパス・リバティタワー1021教室で開催された。

博物館は、商学部の教員と共同で、現在、山陰地方の陶器をテーマに製造・流通・販売に関する調査・研究を進めている。鳥取県は、農水産品の生産・販売や観光振興との相乗効果を狙って、文化的イメージの対外発信に力を注ぐ中、民工芸についても積極的に取り上げている。今回はそれに注目し、鳥取県商工労働部市場開拓局販路拡大・輸出促進課民工芸振興官の大江啓司氏を招いて、県内の民工芸の概観及び振興策の転換とその特色について講演をいただき、商品開発やマーケティング戦略などについて討論をおこなった。

鳥取県では、2000年代に入る頃から基本政策として地域の自立が掲げられ、その流れの中で民工芸の振興策も補助金交付中心の考え方を修正し、消費者・消費地に対するプロモーションのサポートを重視するようになった。新たな顧客層の開拓を意識して従来の民芸店・百貨店とは別に、アパレルブランドやセレクトショップへのアプローチを行ったこと、ウェブサイトや雑誌メディアを通した宣伝など興味深い報告を聞くことができた。

なお、この講義の抄録は『明治大学博物館研究報告』23号(2018年3月31日刊行予定)に収録される予定となっている。
(博物館事務室)