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明大生2人がグテーレス国連事務総長と対話

参加学生と(写真提供=上智大学)

明治大学名誉博士のアントニオ・グテーレス国連事務総長の来日に際し、12月14日に上智大学で行われた同氏と大学生との対話に、明治大学から2人の学生が参加。国際社会におけるさまざまな課題について意見交換を行った。

当日は、講演会と対話の2部構成。会場には国連アカデミック・インパクトの参加大学から学生約30人が招待された。直接、グテーレス国連事務総長と面会した明大生2人の感想を以下に掲載する。

法学部4年 勝田 翔一朗さん

グテーレス氏のお話の中で特に印象深かったのは、“予防”の重要性です。世界で技術革新が進む中で、それが世界にマイナスな影響を与える可能性に対する準備、予防が不十分であることを定義したうえで、紛争の予防が最優先課題であり、かつ持続的であるべきだと語られました。普段私たちがテレビで見るのは、実際に紛争が起こっているという事実、すなわち“結果”であって“予防”に対するキャパシティがないのだというご指摘には、私たちの考え方がどれだけ“一部の情報”に左右されているのかということを再認識させられました。グテーレス氏はそういった情報によるイメージが移民・難民問題をはじめとする“拒否”に結びついており、“寛容性”を持つことの重要性を述べられておりました。私自身も、その人や環境から得られる情報が偏っているということ、そしてそれが各個人に与える偏ったイメージの怖さを、大学生活における研究や、就職活動の中で実感してきました。私は今後、自身の持つ情報や視野に幅を持たせることはもちろん、誰かに発信するときにもその人たちの考え方の幅を広げられるように意識して行動していこうと思います。

情報コミュニケーション学部2年 ンセンギュンバ ディスティーさん

グテーレス氏の講演内容は、北朝鮮のミサイル問題、テロリズム問題、難民問題など、いま世界で話題となっていることについてでした。これらの問題は全て人間の安全保障に関係しており、人間の安全保障を守るために最も良い方法は、武力による闘争が起こらないように“予防”をすることだとおっしゃっていました。武力による闘争が起きてからでは問題がより複雑化(例えば、各国の利害問題、難民問題等)し、対策が難しくなります。したがって、事前に武力による闘争を“予防”することが大事であり、最も良い解決方法につながるとグテーレス氏は語られました。また、お話しされた中でも特に私の心に残った言葉は、日本だけでなく「世界規模で考えなさい!」ということです。つまりこれは、視野を広くして考えなさいと言い換えることもできると思います。これは何事にも当てはまることで、視野を広げることでより大きな課題を見つけることができ、結果として社会的に役立つ人材になると考えています。ですから、私はこの言葉がとても大切で、世界の問題を考える上で重要になると思います。これから先、視野を広げて何事にも取り組んでいきたいです。