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連合駿台会 5研究者に「学術賞・学術奨励賞」を贈呈

円朝の研究を通じて人文科学のあり方を力説した須田教授 (左から)柳谷孝理事長、所准教授、須田教授、相澤教授、伊勢助教、小山内専任講師、田村会長、土屋学長

連合駿台会は1月18日、第24回連合駿台会学術賞・学術奨励賞を発表し、商学部の所康弘准教授、情報コミュニケーション学部の須田努教授、理工学部の相澤守教授に学術賞を、文学部の伊勢弘志助教、農学部の小山内崇専任講師に学術奨励賞をそれぞれ贈呈した。

同賞は、政財界などで活躍する明治大学校友の親睦団体である連合駿台会が、本学教員らによる学術研究上の特に優れた成果を表彰するもの。授賞式に先立ち、学術賞受賞記念講演会が駿河台キャンパス・アカデミーコモンで開催された。

あいさつに立った連合駿台会・田村駿会長は、同賞設立の経緯を紹介するとともに、「さらに精進して明治大学の発展のために大いに尽力していただきたい」と受賞者を激励。続いて、受賞者代表の須田教授が「いま、人文科学・歴史学を研究するということ—文明開化、三遊亭円朝と民衆世界—」と題して講演した。明治時代に活躍した落語家・三遊亭円朝について、歴史学・民衆史の観点から解説するとともに、円朝の作品に登場する「暴力と差別」について言及。「教養とは、多様な選択肢を認め、他者を尊重すること。このことを語り継いでいくことが、歴史学ひいては人文科学の今後の役割だ」と締めくくった。

会場を移して行われた授賞式では、土屋恵一郎学長から賞状、田村会長から記念品が手渡された。これを受けて受賞者5氏は、「明治大学とラテンアメリカの懸け橋になれるように尽力していきたい」(所准教授)、「学長がおっしゃる『研究の明治に』というのは私も夢」(須田教授)、「将来、研究成果が世の中の役に立てばという思いで日々取り組んでいる」(相澤教授)、「地味な研究もしてきたが、賞をいただき報われたという思い」(伊勢助教)、「受賞はゴールではなくスタート。ますます頑張りたい」(小山内専任講師)と、それぞれ関係者への感謝を述べるとともに、今後一層の活躍を誓った。

連合駿台会学術賞

【社会科学】商学部 所 康弘 准教授
米州の貿易・開発と地域統合—新自由主義とポスト新自由主義を巡る相克—

【人文科学】情報コミュニケーション学部 須田 努 教授
三遊亭円朝と民衆世界

【自然科学】理工学部 相澤 守 教授
Evaluation of resistance to fragmentation of injectable calcium phosphate cement paste using X-ray microcomputed tomography

連合駿台会学術奨励賞

【人文科学】文学部 伊勢 弘志 助教
石原莞爾の変節と満州事変の錯誤—最終戦争論と日蓮主義信仰

【自然科学】農学部 小山内 崇 専任講師
微細藻類を用いたバイオプラスチック生産法の開発