治療法の確立されていない稀少難治性疾患の研究には、その病気を再現する動物(=疾患モデル動物)が重要な役割を果たしているが、近年はブタが、生理・解剖学的にヒトとの共通点が多い大型実験動物として医学研究に多用され、遺伝性の稀少難治性疾患モデルをブタで開発して研究に利用する動きが活発化している。
今回の研究では、致死性の遺伝性疾患を発症するブタを、正常な細胞とのキメラ状態に誘導することで、その疾患の症状を緩和し、個体を健常な成長さらに繁殖可能な状態に導く方法を確立(上図)。患者数の少ない稀少難治性疾患の治療薬や治療法の開発は立ち遅れており、疾患モデルブタの供給・利用が進むことで、患者の救済が加速化することが期待される。
研究の詳細は、米国科学アカデミーのホームページ(http://www.pnas.org/)から確認することができる。