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総合数理学部・宮下研究室 3Dプリンターの新たな技術・システムを開発

総合数理学部の宮下芳明研究室ではこのたび、3Dプリンターの新技術や3Dプリンターを活用した新たなシステムの開発を発表した。

極細で高密度の「毛」が3Dプリンターで

大学院先端数理科学研究科博士後期課程3年生の高橋治輝さんは宮下教授とともに、熱溶解積層方式3Dプリンターを用いて、極細で高密度な「毛」のような構造を作り出す造形手法をこのたび開発した。今回開発された造形手法では、熱で溶解したプラスチック樹脂を3Dプリンターのノズルで引き伸ばすことで細い毛のような構造を作成。また、この構造を「橋渡し」するように固定していき、造形後に切り離すことでフサフサとした造形物が得られる。1本の造形可能な直径は0.08~1.5mm程度で、これは人間の髪の毛の細さに匹敵し、安定した造形が行えるため、長毛や円状に広げた形状を作ることも可能となった。なお、本研究は、第25回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2017)において対話発表賞を受賞した。また、株式会社エポック社、ミツイワ株式会社と協力のもと進められ、3Dに関わる技術商社であるミツイワ株式会社は本研究成果を踏まえ、玩具製品のみならず、インテリアや装飾業界への社会実装を今後目指している。

新たな旅行体験を提案する新システム

一方、大学院理工学研究科博士前期2年の秋山耀さんは、3Dプリンター・カーナビを用いて行き先に応じた物品推薦・提供を行う車載システムを開発した。カーナビに行き先を設定すると、その行き先に応じた物品を検索し、インタフェース上にカテゴリ一覧として表示。物品を選択後、その物品を3Dプリントして到着までに入手するか、店舗を経由し購入するかを選択できる。3Dプリントする場合は、到着時間に合わせて精度を調整し、最良の品質で到着までに造形が完了する。

いずれの研究も、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の支援を受けている。