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国際日本古代学研究クラスター 鞠智城・東京シンポジウムを開催

鞠智城のイメージキャラクター「ころう君」とめいじろうも登壇 鞠智城の魅力を語る吉村名誉教授

国際日本古代学研究クラスター(代表=石川日出志文学部教授)は1月28日、熊本県・熊本県教育委員会と共催で、鞠智城(きくちじょう)・東京シンポジウム「鞠智城跡—その歴史的価値を再考する—」を駿河台キャンパス・アカデミーホールで開催した。明治大学の地域連携の一環として2014年から毎年開いており、熊本県との連携関係も深くなっている。

宮尾千加子熊本県教育長と石川代表のあいさつの後、文化庁文化財部記念物課主任文化財調査官である佐藤正知氏の基調講演「古代山城の保存と活用」が行われた。続いて、吉村武彦名誉教授による「列島古代史における鞠智城」、舘野和己奈良女子大学特任教授による「文化遺産としての鞠智城」の講演が実施された。講演後にはディスカッションが行われ、鞠智城の歴史的価値や魅力、そして日本遺産としての活用をめぐって討論が行われた。

また、アカデミーコモンの1階では、熊本地震による文化財の被災状況を示す写真展が開かれ、熊本復興への支援が呼びかけられた。東京では、必ずしもよく知られているとはいえない鞠智城であるが、4回目のシンポジウムの開催で関心も徐々に高まっており、今回は約500人が参加した。 (文学部教授 石川日出志、名誉教授 吉村武彦)

鞠智城跡

熊本県北部(山鹿市・菊池市)に所在する、7世紀後半(約1350年前)に大和朝廷により築かれた古代山城。有数の重要遺跡として、2004年2月に国史跡に指定され、17年4月に「続日本100名城」に選定されている。