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明治大学×小田急電鉄提携記念講座「小田急沿線の明治大学文化を訪ね ぶらり旅」

軽妙な語り口で惹きつけた吉田教授

明治大学の生涯学習機関・リバティアカデミーは3月31日、明治大学・小田急電鉄提携記念講座「小田急沿線の明治大学文化を訪ね ぶらり旅」を駿河台キャンパス・アカデミーホールで開催。約500人が受講した。

柳谷孝理事長のあいさつでスタートしたこの講座は、4月から生涯学習事業で提携を開始した小田急電鉄(株)の前身である「小田原急行鉄道」の創業者・利光鶴松氏と、新宿を好んだ作詞家の阿久悠氏、向ヶ丘遊園近くに居を構えた映画監督の岡本喜八氏、鵠沼海岸で執筆活動に勤しんだ作家の子母澤寛氏の、明治大学で学び小田急沿線に縁のある4人の人物像に迫るというもの。講師は吉田悦志国際日本学部教授が務めた。

まず、利光氏について吉田教授は、20歳で上京し滞在した武蔵五日市を起点として、学問に没頭した日々や明治法律学校へ入学するまでの経緯など数々のエピソードを紹介。弁護士、政治家、実業家へと活躍した来歴を解説し、「武蔵五日市での学びにより培った知識と現場の環境によって、小田急電鉄創業の発想が生まれたのでは」と持論を展開した。

続いて、演歌からロックまで5000曲以上の作品を世に送り出した阿久氏については、楽曲を実際に聴きながら詞の移ろいや作曲家・古賀政男氏との作風の違いについて考察。映画界の異才・岡本監督については、「闘い」をテーマにした作品解説と映画『シン・ゴジラ』(庵野秀明監督)との相関関係に触れ、子母澤氏については、『新選組物語』や『勝海舟』など幕末の日本を描くに至った背景や『座頭市物語』でつながる明大文化などについて披露した。吉田教授は、「いずれも地域的特質を持つ大衆性が注がれた明治大学で学んだ者たち。その人物が大衆文化の担い手となったことは必然ではないか」と締めくくった。

受講者からは、「文化的な観点で新たな発見ばかりだった」「小田急沿線在住の明大卒業生にはこの提携は嬉しい」と声が聞こえるなど、今後のさらなる連携に期待が高まる講座となった。