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ズームアップ 第574回「前例なき大学スタートの努力家」

ホッケー部 遠藤 晴



新たな道を切り開いている。DF遠藤晴(政経3=明大明治)は、スポーツ推薦者のみのホッケー部に未経験者ながら入部。そして不断の努力の末に2年春からベンチ入り。現在は試合出場を目指し、練習に励む日々だ。

何度も驚かされた。小学校1年生から始めた硬式野球には「やることを全部やった」と未練はない。それよりも社会人ホッケーのスピードに魅了され、バットからスティックに持ち替えた。だが強豪の明大ホッケー部に一般生が入部するのは近年では異例の事態。「0からのスタート。這い上がるだけ」と、1年生の頃は全体練習より1時間早い午前5時から自主練を積み、授業後もホッケーと向き合った。

周囲のサポートも心強かった。「邪魔になっているかも」という当初の不安も「練習してうまくなるしかない」と切り替えた。真摯に取り組む姿を見て、同期や先輩も自主練に付き合ってくれた。時には厳しい言葉も掛けられたが、それは期待の裏返し。「あいつは頑張っている。しつこいディフェンスが良い」(DF前田隆昭主将・営4=丹生)。学んだことを書き留めた、膨大な量のホッケーノートが成長の証しだ。ホッケーの楽しさ、仲間の優しさがある。辞めることは一瞬たりとも考えなかった。

「頑張りは伝わる。よくここまで伸びた」(小池文彦監督)。2年生春の慶大戦で初めてベンチ入りすると、それ以降もリーグ戦は全てベンチ入り。だが現状には満足していない。「試合に出て、主軸を休ませられるように」。飽くなき向上心が、今日も遠藤を強くする。
(えんどう・はる 政経3 明大明治 178cm・73kg)

文・写真/浜崎 結衣(情コミ3)